「結局、育てられたようにしか育てられんのよ。」と言われたことがあります。良くも悪くも、ドキッとします。子育ては、100人いれば100通りあるでしょう。その中で、多くの場合「正解」を求めて試行錯誤します。
例えば、しつけというものについて「叱らないで育てる」という方法を本や講演などで知ったとします。そこで、自分もこれにならってみようと「叱らない子育て」に挑戦します。ところが、叱らないことはとても難しいので、中途半端になりがちです。
別の人は、「きちんと叱る」ことを選択します。褒めてばかりもいられないし、叱るべきときにはきちんと叱らねばならないというわけです。ところが、叱ることと怒ることの区別がつかなくなりがちです。大人としてまた親として、冷静に叱っている時はいいのですが、自分の感情をぶつけるかのように怒ってしまうこともしばしばです。
また別の人は、「体で憶えさせる」という方法を選択します。危険なこと、してはいけないことなど、お尻や手を叩いてしつけるというわけです。これも簡単ではありません。しつける側の感情に左右されやすく、時には虐待と紙一重、もしくは虐待に発展してしまうケースも出てきます。
困った!じゃあ、どうすればいいの?
残念ながら、誰にでも当てはまる「正解」はありません。100人いれば100通りなのですから、当たり前です。それでも、共通する部分はあるはずです。それは、子どもを理解するように努めることだと考えます。そのためにはしっかり関わり合わねばなりません。一緒に遊ぶ、お話しをする、絵本を読む、日常生活の中で努めてその時間を作り意識して子どもと関わるのです。そうすれば、大人として親として、その時々にどう対応すべきかを考える一助になるでしょう。
子どもと言えども一つの人格を持った人間ですから、大人の思い通りには育ちませんし、その人格は尊重されねばなりません。その上で、子どもの「育つ力」に責任を持った関わりをする大人でありたいと思います。