郵政民営化の是非を問う国民投票のようにして進められた衆院選は、自民党の歴史的圧勝で幕を閉じました。小泉首相は「自民党の政策が指示された結果だ」として、郵政民営化問題のみならず自民党の全ての政策が指示されたかのように振る舞い始めました。いわゆるすり替えです。
その中で、改憲論議が当然のように進められていくでしょう。世界に誇る平和憲法が、今まさに危機にさらされているのです。
日本国憲法第9条は、戦争の放棄を謳っています。この憲法のゆえに、これまで日本は海外での戦争に参戦しませんでしたし、そのために国際社会で非難されたこともありました。その非難をかわすため、後方支援だとか、復興支援という名目で自衛隊が海外に派兵されるようになり、徐々に平和憲法の外堀が埋められてきました。そして今、国連の常任理事国入りという大きなニンジンをぶら下げられた日本は、いよいよ憲法を改正し、堂々と戦争に参加できる国に戻ろうとしているのです。
よく考えてみてください。憲法が改正されて戦争できるようになれば、いずれ必ず徴兵制も復活します。つまり、大切な子どもたちが一定期間必ず兵隊にさせられ、その時にどこかで戦争が起き日本が参戦すれば、私たちの大切な宝である子どもたちが戦場に行き、人殺しを行い、そして殺される危険にさらされるのです。
こういう主張には、必ず「じゃあ、日本がどうなってもいいのか。対案を出せ。」と責められます。残念ながら私は明快な解答を持っていません。でも、「子どもに人殺しをさせない。子どもを殺させない」という一点において、私は戦争に反対し、ゆえに改憲に反対します。
今決めるとすれば、それは私たちですが、私たちは戦争に行きません。行くのは子どもたちです。皆さんは自分の子どもに人殺しをさせますか?殺されてもあきらめられますか?私はイヤです。ですから、私は今預かっている園児と保護者全員に、命の大切さを訴えて続けていきます。