2005年4月号

 まだまだ雪が残っていて寒い日もありますが、柔らかい日差しを感じると、それでも春は来るんだな、と思います。

 新入園児を迎え、また進級した子どもたちとともに、新しい年度が始まりました。今年も、子どもたちとともに成長できる歩みでありますようにと祈ります。

 今年の年間主題は「立ち止まって向き合う」です。保護者や職員と話していてしばしば話題になることに、子どもを大人のペースに巻き込んでしまっている、という反省があります。例えば朝のしたくについて。「早く着替えて!早く顔を洗って!早くごはんを食べて!」恥ずかしながら、我が家でも飛び交うセリフです。

 そりゃそうですよね、朝っぱらから子どものペースに合わせて好きにさせていたら、いつ登園できるやら、いつ出勤できるやら。でも、最近こんな一文を読みました。「パパがもう少し早く起きて、お前のペースに合わせてやればいいんだよね」ドキッ?!

 もちろん、パパが早起きしたからと言って子どもも早起きするわけじゃないし、そこで30分早く行動し始めたとしても、言うことは言わないと子どもがさっさと準備するわけでもありません。じゃあ、何?

 この言葉の意味するところは、パパが少しだけ早起きして準備することで、心に余裕が生まれる、ということなんです。忙しい時に子どもがいたずらしたり、あるいはぐずったりするとイライラします。すると当然必要以上に叱ったり、感情的になって怒ったりします。でも、リラックスして余裕のある時なら、許せることもたくさんあるし、ゆっくりさとしてやることもできます。

 そのためには、自分の歩みを止めてみる必要があります。全てが自分の思い通りにならないのが人生なら、自分のペースで進まないのが子育てです。何でもかんでも子どものペースに合わせなさいなんて言う気はありません。でも、子どもの気持ちになってみることも大切なんです。

 とりあえず、おもちゃ箱ひっくり返して積み木でもしてみますか。