『沖縄で命と環境について考える』というテーマの研修に参加しました。その中で、美しい珊瑚礁を破壊し埋め立てて、米軍がヘリポート基地を建設しようとしている辺野古の海を訪ねる時間がありました。そこでは、「命を守るため、戦争に加担したくない」という大勢の人々が、基地建設に反対するための座り込みをしていました。単なる抗議行動ではなく、「人間の壁」によって建設車両を港に入れないという、命をかけた非暴力による抵抗です。
その現場で、我々参加者の一部が、立ち入らないと約束されていた地元漁協の空き地を横切ろうとし、厳しく叱責されました。「秩序を守らなければ、座り込みが続けられなくなる。私たちは生活をかけて命を守っているのだから、せめてそのことを理解して欲しい。」と訴えるその真剣さに、参加者50名全員がただただうなだれるばかりでした。でも、その後リーダー格の牧師が、座り込みに至る経緯や活動内容、そして平和への思いを丁寧にかつ力強くお話しくださり、一喝されうなだれるしかなかった私たちの内側から、立ち上がろうとする勇気や力がみなぎってくるのを感じられました。
その夜です。地元沖縄のある牧師が、今年8月に起きた沖縄国際大学のキャンパス内に米軍のヘリコプターが墜落した事故の際、中に入るのを阻止する警察官に向かって思わず「くそったれ!」と叫んだと告白しました。その瞬間、別の年輩牧師が、「それはいかん!」と叱責、発言した牧師も「あのとき、私は人間ではなかった。」と言うのを聞いて、私は大きな衝撃を受けました。「暴力を否定する者は、(たとえ言葉であったとしても)暴力をふるってはいけない。」命を守るために闘っている人々の真剣さを突きつけられた思いでした。
辺野古では、建設車両の前に立ちはだかっり、タイヤにしがみついたりして抵抗しています。それだけではなく、工事関係者に命の大切さ、平和への思いをとくとくと語り聞かせています。度重なる説得に、おもわず涙を流した工事責任者は、配置転換されてしまったそうです。かたくなな新しい担当者を、また一から説得するのは骨が折れると言った仲間の言葉が印象的でした。
子どもたちの未来、もっと真剣に取り組もうと思いました。