2004年8月号

 つい先日まで、「アットホーム・ダット」というドラマが放映されていました。リストラされた既婚男性が主婦ならぬ主夫になって、家事や子育てに奔走するという内容です。最近共働きになったようですが、私の知人にも長く主夫をしていた人がいました。

 昔に比べ、家事や子育てに協力する男性は増えています。クラス別懇談でも話題になりましたが、買い物かごを持ってくれる男性は予想以上に多くいました。その一方で、最近こんな記事を読みました。「確かに男性が家事や子育てに協力してくれるようにはなったけど、相変わらず“手伝い”でしかない。」別の記事では、「家事をもっともよく手伝うとされるスウェーデン人男性でも、本来すべき分の7割程度。」手伝いや協力はするけど、家事や子育てを主体的にリードする男性はとても少ないということ、逆に言えば多くの場合女性がそれを担っているということです。お父さんたち、これを読んでどう思われますか?

 それぞれの家庭に、それぞれのライフスタイルがありますから、家事や育児についての一般論やデータを押しつけられても困ります。ただ、折に触れて自らの姿勢を反省し、他者に見習うべき点を認めたり、改善したり、工夫や努力をしていくことは大切なことです。仕事でもそうです。育児ならなおさらです。子どもは親を選べないからです。

 子どもにとって、親をはじめ、家族と共に過ごす時間はとても重要です。子どもたちは、家族といる時もっとも安心し、自分をもっともよく表現するものです。そこに命の土台のようなものがあるからだと考えています。

 その土台をしっかりさせるためには、私たちは努力しなければならないと感じます。忙しい生活の中、子どもに関わる時間は努力しないと作れません。時にそれは自らにとってはストレスになったりもします。でも、それを乗り越えて過ごす子どもとの時間は、思いがけず豊かなものとなるものです。少くとも私の場合はそうです。

 家事や育児について、男性がお手伝いから主役になる日は来るのでしょうか?いえ、役割なんてどうでもいいのです。子どもはそんなことを気にしてはいません。子どもはとにかく、家族と一緒に、楽しい時間を過ごしたいのです。