新しい年を迎えました。今年も子どもたちにとっては元気いっぱい、楽しさ満杯の幼児園、保護者の皆様方にとっては安心して頼れる幼児園でありたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
「モノより思い出」こんなキャッチコピーのTVコマーシャルがあります。私たちは、断片的にかもしれませんが、驚くほど昔のことを憶えているものです。しかも、自分のことを思いだしてみると、それは必ずしも強烈な印象のものばかりではなく、ちょっとした喜びや楽しさだったりするので意外です。
例えばこんな感じ・・・。旅先で、父に“こぶとり爺さん”の絵本を買ってもらったこと。年少組の遠足で水族館に行った時は、今にも降り出しそうな曇り空だったこと。旅行の際に父が撮った8mm(映画)を、後日家族で鑑賞するのだけれど、一通り見終わった後にそれを今度は逆回しで見るのが楽しみだったこと(動作が全て逆になる)。中には、サンタクロースが忙しかったらしくプレゼントの代わりに現金500円を置いていったのだが、それでおもちゃを買えるということを理解できなくて泣いたこと、なんてのもあります。
父が先日、「当時、苦労して顕微鏡を買ってやったのに、ちっとも興味を示さなかったなあ」なんてことを言っていました。確かにいつそれをもらったのか私は憶えていません。でも、数年後、その顕微鏡で池の水や虫をたくさん観察して感動したことは憶えているのです。
モノがあふれると言われる時代を生きている私たちは、子どもにとって良かれと思うものにしろ、子どもが欲しがるおもちゃにしろ、「子どものため。子どもが喜ぶから。」とつい与えすぎてしまいがちです。私も大いに反省を重ねています。その時、いつも思い起こすのは、「このおもちゃでどれだけ一緒に遊べるかな」ということです。
忙しい日々を送っていると、子どもと遊ぶ時間は努力しないと作れません。でも、わずかな時間でも、双六や積み木で一緒に遊んでいる時の子どもの嬉しそうな顔は、何ものにも代え難いものだと感じます。子どもが求めているのは、おもちゃではなく、それで過ごす楽しい時間なんですね。