2003年5月号
年度替わりで何かと慌ただしい4月が終わりました。十日町では、気候の良いこの季節が一年中で一番良い季節だという人も多いようです。子どもたちも新しい生活のリズムに慣れ、輝きが増しているところです。
“お花に話しかけるとよく咲くようになる”とか、“野菜は話しかけるとおいしく、たくさん実るようになる”というのを聞いたことがあるでしょうか。こういった話を何度も聞いていたのを思い出し、お花をいじりながら、お花に話しかけてみようと思いました。
ところが、お花相手に話しかけるというのは、いざそうしてみようと思うと結構照れくさいものです。なぜなら、お花に話しかけるということは、端から見れば独り言を言っているようにしか見えないわけで、「もし誰かに聞かれたらどうしよう?」なんてことを考えると、ますます話しにくくなるのです。でも、「まあ、試してみるか」というようなノリで、「綺麗に咲くんだよ〜。いっぱい咲くんだよ〜」と言いながら、水をやったり手入れをしたりしてみました。
慣れというのは、こういうことを言うのでしょうね、初めは学芸会の下手なセリフのような声かけでしたが、いつの間にか子どもにでも話しかけるように「今日もお日様が照りそうで良かったな〜」なんて、自然な気持ちでお花に語りかけるようになっていました。こうなると水やりも手入れなどの手間も苦にならなくなるから不思議です。
小さな子どもと話すこと。これはとても大切なことなのに、忙しかったり、心に余裕がないとおろそかにしがちです。なんせ、子どもの話は要領を得ないし、まともに会話にならないことも多いし、こっちの言うことを聞いてるのか聞いてないのかわからないこともあるし・・・。でも、語りかけること、聞いてあげること、両方ともとっても大事です。一方的に押しつけるのではなく、会話することが大事です。内容なんて二の次、会話を楽しめばそれでいいんです。会話する時間は意識しないと増やせませんが、いつの間にか自然にできるようになると、子どもとの会話は楽しいものになるでしょう。お花に話しかけることの効果は定かではありませんが、子どもとの会話は必ず実ります。