2001年10月号
秋もいよいよ本番を迎えました。どんぐりをポケットから取り出し、自慢げに見せてくれる子どもたち。幼子なりに季節の移り変わりをしっかり感じているのですね。
この秋は残念なお別れもありました。先月号でもお知らせしてありましたが、約20年という長きに渡り給食の調理補助、そして清掃などをしてくださった喜多ヤエさんが、ご家庭の事情で退職されました。仕事の合間には積極的に子どもたちに関わり、育児の相談をされた保護者の方もおられました。子どもたちを愛し、私たちによいものをたくさん残してくださった喜多さんの新たな歩みの上に、神様の祝福を祈ります。
悲しいニュースもありました。米国で起きたテロ事件です。ちょうどすみれ組の林間保育の夜でした。旅客機がビルに突っ込むシーンは、映画の特撮か?と思ってしまうほど信じられない映像でした。
米国のブッシュ大統領は、これを戦争行為と位置づけ、報復のための戦争準備を着々と進めているのは皆さんよくご存じの通りです。そして、我が日本も、米国に追従し後方支援という形で戦争に参加しようとしていることが、小泉首相を通して明らかにされました。
早速市民団体等から、戦争反対、自衛隊派兵反対の声が上がり始めました。いかなる理由があろうとも、戦争という行為を憎む思いの表れです。それを、“平和ボケ”と評する報道機関もあり、私はがっかりしました。もう2度と戦争はしないと心に誓った半世紀前の教訓を忘れ、再び戦争に加わろうとし、平和の中で、かつて苦しみ悲しんだ人々の誓いがこうも簡単に忘れ去られてしまう、これこそ“平和ボケ”なのではないでしょうか。
苦しみ、悲しむのは、いつも子どもたちを中心に、弱い立場の人々です。自分のことばかりではなく、私たちの隣にいる人々のことも考えられる人間に育ちたいものです。
赤い羽根募金(共同募金)にご協力ください。私たちの“隣にいる人々”のことを思い起こしながら。