2002年12月号
キリスト教の暦では、クリスマスの4週前の日曜日からアドヴェント=待降節という期間に入ります。クリスマスを迎える準備の時で、今年は12月1日から24日までが待降節です。子どもたちもクリスマスの準備を進めています。歌や合奏、そしてページェント(聖誕劇)の練習を重ねています。喜びと感謝をもってクリスマスを迎えたいと思っています。
子どもにとってクリスマスのお楽しみは、やはりなんと言ってもサンタクロースでしょう。プレゼントと一緒に夢を運んできてくれるサンタクロースが子どもたちは大好きですし、心待ちにしています。
私が子どもの頃、我が家には“本当に”サンタクロースがやってきました。クリスマスの夜、家族でお祝いをしていると、家のどこかで物音がするのです。それを合図に家の中を探すと、どこかの窓が開いていて、そこにプレゼントが置いてあるのです。家の中に長靴の足跡が残っていたこともありますし、雪が部屋の中に吹き込んでいたこともありました。もちろん、家族は全員同じ部屋にいて、クリスマスディナーを食べたり、ゲームをしたり、音楽を聴いたり(これは苦痛だった・・・)しているので、ちょっとしたミステリーです。本物のサンタクロースがやって来たと信じるほかありませんでした。もちろん、これは親の工夫でした。
サンタクロースは、単にプレゼントを運んでくるだけではありません。プレゼントをくれるだけなら、サンタクロースでなくてもいいのです。サンタクロースが運んできてくれるは、夢や希望なんですね。欲しいけれどなかなか買ってもらえないようなオモチャなどをサンタクロースが持ってきてくれると信じて心待ちにする日々。「買ってあげる」という確かな親の言葉などと違って、持ってきてくれると信じたいけど「大丈夫かな」とちょっぴり不安も入り交じったような不思議な時間。その夢が叶う時、夢は現実になるという希望を持てる喜びを子どもたちは体験するのです。イエス・キリストの誕生は、まさに希望の体験です。この希望をしっかりと子どもたちにも伝えたいと思っています。
自分が親になった今、同じことを子どもたちにしています。喜ぶ子どもたちを見て、「私の親もこんなに楽しいことをしていたのか」と思いつつ。