「日本が再び戦争をはじめる準備をしている」と言っても、多くの人は信じないでしょう。でも本当なのです。今国会に提出されているいわゆる“有事法制三法案”は、日本が戦争に参加するための法律なのです。
この法案が成立すると、たとえばこんなことになります。
1,自衛隊の武力行使が明記され、専守防衛のための自衛隊が、「おそれ」「予測」で先制攻撃をすることができるようになります。
2,地方自治体、電力・ガス会社、医療・運輸・土木・建築などの民間業者に対し、物品や施設や労働力の提供を強制させます。
3,戦争をするための命令権限を首相に集中させ、基本的人権は破壊されます。要するに、我が国が戦争に参加できるようになり、戦争のために民衆も企業も国のいいなりになるよう法律で定めるというものなのです。恐ろしい話です。
なのに、多くの人たちにとって、この問題への危機感は薄いように思います。リアリティを感じられないというか、戦争に参加するということへの想像ができないというか、とにかく自らの問題であるという意識ではなく、どこか関係ないところで、自分には関係のない法律が定められるだけだという認識なのではないでしょうか。いや、正確には、危機感を抱くような肝心なことは隠され、あるいはオブラートに包まれているので、自らの問題だと気づかないだけなのかもしれません。
想像してみてください。親を失い途方に暮れる子どもの涙を。遊んでいる時に、地雷に足を吹き飛ばされてしまった子どもの無念を。そしていつか私たちの子どもが戦争に連れて行かれ、人を傷つけ、人に傷つけられることを。決して大げさではないのです。私たちが無関心でいる間に、国は着々と準備を整えていくのです。
8月15日は、敗戦記念日です。57年前に大きな大きな大きな犠牲を払って得た教訓を改めて思い起こし、心に刻みつけるべきなのです。
照りつける太陽、はじける水しぶき、屋上のプールには今日も子どもたちの元気な歓声が響き渡っています。この喜びに満ちた笑顔を消したくはありません。