2002年4月号

 雪国十日町にも春がやってきました。昨年よりだいぶ早い春の訪れです。

 入園、進級、おめでとうございます。新しく始まる園生活に、子どもたちは期待に胸膨らませていることでしょう。子どもたちが神様から与えられている賜物を生かし、それをのばしながら、心豊かに成長して欲しいと願いつつ、そのお手伝いをしていきたいと思っています。ご協力をお願いいたします。

 今年度は「光あれ」を年間主題にして活動します。この言葉は、旧約聖書の一番最初にある書物「創世記」のこれまた一番はじめ、天地創造物語の一節からとりました。創世記によれば、世界の初めは混沌とした闇であり、天地の区別させありませんでした。そこへ、神はまず「光あれ」とおっしゃられて光を造られたのです。

 もっと正確に言うなら、光より先にあったものがあります。光を造られた「神」であり、神が創造のために発せられた「光あれ」という神の言葉です。ですから、新約聖書のヨハネによる福音書には「はじめに言葉があった。言葉は神と共にあった。言葉は神であった」と記してあります。

 このようにして、神の言葉により、全てのものが創造されたと聖書は記していますが、その中に私たち人間も含まれます。神は土のちりをとって人の形を造り、鼻から命の息を吹き入れられ、人は生きるものとなったということです。

 「バカなこと言うな。人間は猿から進化したんだ。」そうかもしれません。私も、聖書にある創造物語は、創造神話だと思っています。しかし、そこにあるメッセージは本物、真理なのです。すなわち、私たちは神に命を与えられ、生かされているということです。

 私たちは、ちっぽけな存在です。全てを知ろうと思っても知り尽くせないし、全てを自分でやろうと思ってもできません。ただ息をするということだけとってみても、私たちは私たちの造り主である神の存在を認めないわけにはいかないのです。

 そんな人智を越えた方が与えてくださった命をもっともっと輝かせるために、一人一人に与えられた賜物を生かしていく保育を目指したいと思います。