96)続・生まれいずる悩み

尿管結石は腎臓で出きますが大きいものはむしろ心配ありません。尿管は径が数mmの細い管です。そこに小さな石がひっかかると七転八倒の苦しみを味わうわけです。何とか膀胱に落ちればそこは大きい袋ですから全然痛みはありません。次に尿道を通るときにまた激痛がありますがカランと排石されれば無事石が生まれ出て治癒したといえます。脱水による尿の濃縮が石の成因に関係します。夏場や鉄工所など高温にさらされ多量の汗で尿が濃縮すると石ができやすくなります。治療は大いに水を飲んで石を下へ下へと押し出すこと。尿管口でひっかかってどうしても落ちない人には以前は手術で摘出していましたが今ではレーザーによる砕石術が簡単で一般的になっています。(030806)

97)介護士こぼれ話
ドイツを手本にして作られた日本の介護保険制度も試行錯誤を繰り返しながらもようやく制度としての体裁を整え始めてきましたが本家のドイツではあまりの高齢化についていけず1995年にスタートしながら8年でもはや破綻寸前の状態です。それはともかく今回は親戚の介護士からの楽しいお話です。おもにお年寄りの入浴介護を担当していて75kgまでなら一人で抱いて風呂に入れるという気は優しくて力持ちのピチピチギャル。よぼよぼで手も動かせないご老人がなぜかちゃんとお尻をなぜなぜしてくれたり、冬場厚着をしていても何故か一発必中で乳首をきゅっと握ってくれたり(以上男性)、「いい湯だなーあはっあはっ(必ず2回)と始まり・・最後に「ここは高山、高橋サワノの湯」(女性)わはは・・介護にいきたい人のNO1、断トツの人気者だそうです。老人になったら大いにネアカになりましょう。(030906)
98)慢性疲労症候群(CFS)

最近外来を訪れる患者さんで何となくだるい、疲労がたまっている、集中力がないなどいわゆる不定愁訴を訴える人が大変多くなっています。いわゆる過重労働や更年期症状などで誰にでも起こりがちなごくありふれた症状ですがこんな症状が半年から1年間続いたらやはり問題です。慢性疲労症候群(CFS)かも知れません。原因はウイルス説や免疫不良説など未だ解明されていませんが確かに何かの症候を示唆しています。@微熱Aのどの痛みBリンパ節の腫れC筋肉痛D筋力低下E頭痛F錯乱G記憶喪失H視覚障害などの症状があったら要注意です。残念ながら今のところ確定診断の決め手はありませんがアメリカでは「第2のエイズ」かもと言われるほどの免疫力低下もみられます。「のめし病」ではありません。一度是非医師に相談してみて下さい(031015)

99)百聞は一見にしかず
ひとは外界からの情報の80%を視覚から得ていると言われています。人に備わっているセンサーは五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)(特殊な人が持っている第六感)がありますが情報量は圧倒的に視覚が占めています。また通常意識しませんが立体感は眼が2つあってはじめて感じられ日常生活において大変役立っています。片目では歩くこともままならず車の運転も距離感がわからず不自由です。鳥類などはえさを取るのに地面に激突してしまい生きていくことは出来ません。白内障は老人病の典型です。水晶体といわれるレンズが白濁してぼやけてしまうのです。昔はあきらめるしかなかった視力も現在では簡単にレンズの入れ替え手術が可能になり多くの老人がその恩恵に浴して日常生活を楽しんでいます(031115)
100)健康診断で大丈夫?
健康診断では主に身長、体重、肥満度、視力、聴力、血圧、貧血検査、肝機能検査、コレステロール検査、尿検査、心電図検査、胸部レントゲン検査、胃レントゲン検査、便潜血検査、糖尿病検査などが実施されます。生活習慣病などはこれでチェックできますが健診でひっかかっても精密検査を受けない人も多く何のための検診かと思うこともあります。要再検のひとは必ず2次検診を受けるようにしましょう。またこれらの健診はあくまで一般的なもので個々の臓器を深く診断することは出来ません。潜在的な病気の早期発見にはやはり精密検査が必要です。異常を感じたら早めに医療機関を受診して下さい。「健康診断で大丈夫だったからもう安心」は禁物です(031205)
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