101)新春をことほぎカロリー制限を

新年明けましておめでとうございます。「修ちゃんのワンポイント」も101回目を数え今月から再スタートを切ります。大目標の200回をめざして頑張りますのでどうぞ宜しくご愛読下さい。今年の正月は何と6日間の連休となりました。本を読んだり、コンピューターをいじったりと殆ど運動もしないでひたすらじっとしていたので健康面ではとにかくカロリー過多にならないように気をつけました。酒は控えて食事を1食抜くことを決意し実行しました。普段でも生活習慣病のまっただ中にいる身としてはせめてこのくらいは頑張りたいと思います。糖尿病や高血圧症、その他の生活習慣病を抱えている諸氏は是非ともカロリー過多に気をつけてサイレントキラー(沈黙の殺し屋)から身を守って下さい。(040115)

102)がん死亡者の動向
十日町市のがんによる死亡者数を昭和62年と平成13年の15年間で比較してみると胃癌は30人から13人に減少。大腸癌は2人から18人と大幅増加。肺癌も10人から28人と大幅に増加しています。子宮癌は2人から0人、乳癌は0人から3人と大差はありませんでした。がん全体を見ると80人から117人とじわりと増加しています。全国的にみると胃癌は減少し、大腸癌と肺癌は増加する傾向にありますが十日町市もまさにその傾向にぴたりと一致しています。がんの1次予防はなかなか難しく一概には言えませんが肺癌とタバコの関係だけははっきりしています。2次予防としての早期発見、早期治療が昭和56年以来死亡率1位のがん対策と言えるでしょう。(040208)
103)梵天丸もかくありたい

当院に通院中の最長老は96才の男性の話です。私がまだ魚沼病院の外科に勤務していた時代、平成
10年に当時90才で大腸癌の手術を受けられました。それから今まで大した病気もせず元気に過ごされています。本町4丁目に住まいを持ち毎日本町通りのアーケードを手押し車で小一時間の散歩を楽しんでいます。一度左大腿骨骨頭骨折をして入院しましたがこの時も手術とリハビリで驚くべき回復力をみせて今ではでごく普通に歩行できるまでなりました。高齢の方は大腿骨骨頭骨折で寝たきりになってしまう率が高く要注意の病気です。本人は100才までは何とかと目標を持ってリハビリに精出し新聞を読んで時事を語ったり、年に1回は自分から積極的に大腸検査を受けられて再発を予防しています。当院の看板翁(看板娘とはいきませんが)として頑張ってもらい百寿の祝いにもらう約束の紅白まんじゅうを楽しみにしているこの頃です。(040315)

104)骨粗鬆症について
平均寿命が男性78才、女性85才となり大高齢化時代に突入している我が国では今や1千万以上ともいわれる骨粗鬆症患者を抱えています。その殆どは女性です。もともとCa摂取量が欧米に比べて低い上に50才を過ぎて女性ホルモンが少なくなると骨からCaがどんどん逃げてしまいます。さらに高齢化が進み骨粗鬆症も増えてきて今では生活習慣病として位置づけられるようにさえなってきました。健康寿命を妨げる「寝たきり」の要因の第1位は脳血管疾患ですが第2位が骨折、第3位が痴呆となっています。骨折は脊椎骨折が最も多く次いで大腿骨頚部骨折です。なかでも大腿骨頚部骨折は寝たきりになる率が高く要注意です。(040415)
105)続・骨粗鬆症
骨は生体の支持組織として荷重を支える働きがあると同時に生体にCaとPを供給する倉庫でもあります(他には巨大な造血臓器としての働きもあります)。そのため骨では骨形成と骨吸収が絶え間なく続けられており血中Ca濃度を一定に保っています。骨吸収能が骨形成能を上回ると骨密度が減少して骨粗鬆症になるのです。以前は老化現象として片づけられていた骨粗鬆症ですが最近では慢性病として位置づけられようになり脆弱性骨折(慢性疼痛のもと)の予防と治療がその人の日常生活度と生活の質の向上(健康度)を高めることが出来るようになりました。このように運動器機能低下を防止、または改善させる目的は「死ななくて済む」ではなく「よりよく生きる」という健康度の改善であり、これこそが骨粗鬆症の治療目的になります。高齢化社会をより快適に過ごすために骨を丈夫にして骨折を予防し、慢性疼痛を克服すべく努力しましょう。(040515)

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