70)胃癌で死んでは遺憾(1)
日本は男女とも世界中で最も胃癌死亡の多い国です。10万人当たり死亡者数は日本人男性50人に対し米人男性はわずか6人(女性も25人対3人)です。中でも新潟、山形、秋田は日本有数の胃癌の多発県です。即ち十日町地方は堂々世界一の胃癌発症の地といえるでしょう。原因は塩分過多や、米食主体の「どっさり食」や食品数の少ない「ばっかり食」、発癌剤を含む保存食品(薫製品やベーコン、ハム、ソーセージ)、前回お話ししたピロリ菌などいろいろありますが、日常生活においてこれらの危険食品から逃れることは到底不可能です。そこで日本が世界に誇る胃内視鏡検査による早期発見、早期治療が重要になってきます。以下次号(01,06,15)
71)胃癌で死んだら遺憾(2)
糖尿病、高脂血症、高血圧症、肥満、喫煙などの生活習慣病は健康増進、栄養改善など生活習慣を改善する観点から1次予防が大事ですが、胃癌や大腸癌など1次予防が難しい病気は毎年の健診による早期発見、早期治療という2次予防が重要になります。現在では胃内視鏡検査も大腸内視鏡検査もごく一般的に行われており大した苦痛もなくくり返し検査を受けられるようになってきました。早期のものは内視鏡的切除が可能になり開腹手術は必要なくなりました。また開腹手術になっても最小限の穴から腹腔鏡をみながらマジックハンドで胃切除を行うなど手術侵襲を少なくする試みが次々に行われています。おっくうがらずに毎年検査を受けて下さい。自分の体は誰も守ってくれません。自分で守るしかありません。(01,07,15)
72)勇者達の夏
2001年、暑い夏の異変。夢にまで見た母校十日町高校の甲子園初出場です。15年前宿敵中越高校との決勝戦での逆転負け。あと半歩で逃がした甲子園の切符、ちょうどハレー彗星が76年ぶりに地球大接近の年で十日町高校の夢もまた76年後かとあきらめていましたがついにミラクル十日町のトンボ軍団が天空を舞い、ついでにツバメ軍団も華麗に空を飛んでいます。8月10日(金)高知の明徳義塾との試合も決まりバス40台の大応援団が甲子園に繰り出します。想像を絶する猛暑と強烈な日差しにはくれぐれも熱中症と紫外線にご注意を。大きな帽子と長袖を用意。白色は見た目は涼やかですが、紫外線を通してしまいます。赤や緑などの原色の方が遮断効果があります。(01,08,07)
73)沈黙の臓器膵臓
膵臓は内臓の中では一番背骨側に位置しており病気の症状もはっきりせずなかなかやっかいな臓器です。膵臓はアミラーゼという炭水化物分解酵素(外分泌)とインスリンという血糖を下げるホルモン(内分泌)の2つを産生しさらに総胆管という胆汁の流れ道にもなっています。@急性膵炎の2大原因は胆石とアルコールです。自分の消化酵素で自分を消化してしまうため激痛がきます。放っておくと死に至る病気で速やかな手術が必要です。A膵臓癌はまず早期では見つかりません。痛みや黄疸などで見つかったときには不幸にして手遅れのことが多く未だ克服されてない病気といえましょう。Bご存じインスリンの不足、あるいは機能低下による糖尿病です。(01,09,16)
74)「持病のしゃくが」
時代劇によく出てくるシーン。街道を旅するお姫様と侍女。道すがら突然起こる激しい腹痛。「姫君いかがいたした」「持病のしゃくが」。胆嚢はもともと肝臓で作られる胆汁(消化液)を一時貯蔵し胃から十二指腸へ食物が入ってくると消化のために収縮して胆汁を吐き出し総胆管を通して十二指腸へと送り出します。胆嚢に出来た石(胆石)が食後(特に油ものを食した後)、胆嚢が収縮するときにどこかに引っかかると七転八倒する痛みが起こります。これが胆石発作の正体です。胆嚢には石が出来やすく直径7cmにもなる石や何と3788個もの石が詰まるっていた例もあります。@小太りのA中年のB女性でC普段は元気で油ものが大好き。の方はご用心。診断にはエコー検査が有効です。(01,10,15)