60)熱中症(熱射病)
昨年の日記には連日の猛暑に身も心もうだってしまったと書いてありましたが今年の暑さもまた格別です。年々冬の寒さは薄らいで夏の暑さが増しているように感じられますが如何でしょうか。暑さに比例して近年熱中症になる人が急増しています。特にこの時期炎天下でやるスポーツや野外活動には充分気をつけて下さい。熱中症の中でも熱射病が最も危険です。急激な体温上昇と脱水によって起こり死亡率は40~70%ともいわれています。熱中症は屋外ばかりでなく家の中でも起こります。ただでさえ脱水気味の老人が閉め切った部屋の中にいるだけでも容易に脱水に陥り死に直結するケースも出てきます。治療としては水分と塩分、電解質等をバランス良く補給出来る点滴注射が最適です。今年は高齢者の外来点滴がとても多くなっています。(00,8,18)
61)日本人は肥満系
日本人を含むモンゴル系人種は元来肥満になりやすい体質のようです。数万年か前、大変な食糧不足に悩まされ飢餓状態が続いたため生存に有利な遺伝子が作られました。それが肥満遺伝子です。少ない食料を有効に効率よくエネルギーに変えて体内に蓄積しようと働く遺伝子です。これまで日本人が奇跡的に肥満を免れてきた背景には低カロリーで植物性蛋白や魚中心の日本食に負うところ大と言えます。しかし近年の急速な食事の欧米化、飽食化に伴い眠っていた肥満遺伝子が働き始めました。また平均的運動時間の短縮も生活習慣病増加の一因となっています。日本食を見直し、スポーツに精出しましょう。(00,09,16)
62)秋深し妻有の里散策す
「萩の花尾花葛花なでしこの花女郎花また藤袴朝顔の花」万葉の歌人山上憶良が「秋の野に咲きたる花」を指折り数えたご存じ秋の七草です。車社会に馴れて立って歩くことを止めてしまった日本人の体力低下は目を覆うばかりです。朝礼でばたばた倒れてしまう小中学生、ちょっと転んだだけでいとも簡単に骨折してしまう幼児。肥満や運動不足で生活習慣病にどっぷり浸かった中高年諸氏。立っている時間が一日3時間未満になると、脚の骨からカルシウムが抜けていくと云われています。休日を利用して山歩きに出かけましょう。妻有の里は散策、ハイキングには絶好の季節となりました。(00,10,15)
63)インフルエンザがやってくる
ミレニアム2000年もまもなく終わろうとしています。世紀末の冬の到来です。一昨年はインフルエンザが猛威を振るい高齢者は肺炎で、子供はインフルエンザ脳症で多くの死者が出ました。このため伸び続けてきて日本人の平均寿命が減少したほどの社会現象となりました。昨年はワクチンが大人気を博し早々に品切れとなりワクチンの恩恵にあずかれなかった人も多く出ました。ワクチンを摂取した人は殆どインフルエンザに罹患せず風邪さえひかずに済みました。今年はワクチンを充分用意しましたので予約なしでもいつでも摂取可能となりました。高齢者や幼小児、また介護関係者、医療関係者は「い」の一番に受けましょう。もちろん受験生は忘れずに受けて下さい。私も早速予防注射を受けました。(00,11,15)
64)小林亜星氏はえらかった
私がまだ小千谷にいた頃、毎年10月10日の体育の日前後に市民健康講座と称して各界の有名人の講話が行われていましたが、1987年10月9日には、あのコマーシャルソングのヒットメーカーでもあり寺内貫太郎一家の俳優としても有名な小林亜星氏が講演されました。独特の肥満体で丸顔、短髪の亜星氏は鼻に汗をかきかき約1時間の話をされましたがまず110kgを越える肥満体と、糖尿病、高血圧症、高脂血症、喫煙と悪魔の五重奏をすべて兼ね備えており主治医からは「君は21世紀がみれない」と説かれ、そは一大事とばかりそれから死にもの狂いで30kgの減量を実行し見事成人病を克服たといいます。あれから13年間、どうやら彼は無事21世紀の日の出をみることが出来るようです。生活習慣病(成人病)はすべて自己規制にかかっています。21世紀を間近にふと思い出すシーンです。小林亜星氏はえらい。(00,12,15)
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