55)脳死と臓器移植
雪国の悲劇です。屋根の雪下ろし中に滑り落ちて地面に激突。頭部の陥没骨折と頸椎骨折で意識不明となり発見されたときは呼吸停止が少なくとも5分以上。近くの総合病院に収容されましたが既に脳死状態で手がつけられず人工呼吸器につながれたまま約1週間で62年の生涯を閉じました。もし生前に臓器提供の意志を表明していれば日本でも数例目かの臓器提供者としてその名が刻まれたことでしょう。病死ではなくて事故死の場合は家族と本人にとっては大変気の毒のことですが臓器は新鮮できわめて利用価値が高くなります。しかし日本の現状では死体臓器移植は遅々として進まず完全に行き詰まっています。日本人の意識革命が必要な時期に来ています。(00,3,17)
56)火事の恐怖
火事の怖さはすべてを焼き尽くすことと有毒ガスの発生です。2000年の幕明け十日町大火100周年の今年に入り、既に多くの火災が発生しています。中でも2月9日早朝に起きた本町2丁目の火事は超密集地で狭い範囲ながら火元はもちろん店子3所帯、両隣、裏の店舗にまで被害が及びあわやの大惨事になるところでしたが勇気ある店子の機転により一人住まいのお年寄りをいち早く非難させたため人身に害が及ばず事なきを得ました。隣人をおぶって非難させた後に2階の住まいにに上がろうとしましたが煙に巻かれて何一つ運び出せませんでした。しかしこれは大正解でした。煙を押して駆け上がっていたら恐らく一瞬にして有毒ガスの餌食になっていたでしょう。あっと言ったらこの世の終わり。バタンキュッです。(00,4,17)
57)小児の健康問題
新学期の季節。今年は西小学校児童330名、北越保育園園児100名、西保育所園児50名の健診を受け持つことになりました。北越保育園と西保育所には園児に余計な緊張を与えないようにとの配慮で看護婦と相談してお揃いのミッキーマウスのTシャツを着ての健診で大好評を博しました。健診で感じたことは小学校の高学年になるほど肥満児が目立ってくることです。肥満は明らかに運動不足とカロリー過多が原因です。最近の子供達は忙しくて家庭でも学校でも運動やスポーツに熱中できない時代になっているのでしょうか。家庭では親が運動の楽しさを教えなかったり学校では体育の指導に大きな問題があるようです。(00,5,15)
58)小児のアトピー性皮膚炎
幼児、児童約500人の健診をした結果、前回レポートした肥満の他にアトピー皮膚(乾燥肌)と言われている幼児・児童が大変多く、しかも低学年になるほど増える傾向にあるのにびっくりしました。かなりひどい状態の子も見受けられますが話を聞くと特に治療もしていないとのこと、親の無関心さにもさらにびっくりです。アトピー性皮膚炎の子供を調べますと様々なアレルギー源が見つかります。米やそば、大豆、小麦粉等の食餌系で悪化する子もいてビスケット(小麦)を食べてひどくなった子もいます。またスギ等の花粉やダニ、ハウスダスト等の吸入系も大きな原因となります。日本に寄生虫がいた頃にはアトピー性皮膚炎はありませんでした。寄生虫に対抗していた好酸球の仕事がなくなったために余計なアレルギー反応に使われ出したとの説があります。(00,6,15)
59)小児スポーツの問題
日本の学校での運動、スポーツへの取り組み方は少し異様です。正月以外に休みなく日曜、祝祭日も更になく1日何時間もの練習につぐ練習では決して楽しいスポーツとはいえません。星一徹式のスポコンでは決して記録は延びません。記録はあふれる才能とよき指導者の助言によって花開くのです。個人の体力に見合った記録があるに記録が伸びないのを練習不足や根性なし、体調が悪いせいにしてしまう指導者は往々にして運動の得意な子ばかりを目にかけて出来ない子を「お荷物」扱いにします。見る目のない指導者がいわれのない運動嫌いをいかに多くつくっているでしょうか。中学、高校生に「あの夕日のように燃え尽きてみろ」的指導など決してしないように願います。一生楽しく悠々とスポーツを楽しめるように指導してもらいたいものです。(00,7,17)
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