clm(30-34)
30)肥満その1
脂肪細胞の数、大きさの増加により脂肪組織が過剰となり、体重が増加し、そのために健康上問題となる種々の症状を有するものを肥満症と呼びます。日本肥満学会では身長160cmで67kg以上、165cmで71kg以上170cmで76kg以上、175cmで80kg以上を肥満症と定義しています。肥満の原因は過食と運動不足、その他の因子として消化吸収能力、食習慣、環境因子、遺伝因子などがあげられます。肥満症に合併しやすい病気としては、@心臓血管系(高血圧症、動脈硬化症)A腎臓系(慢性腎不全)B内分泌系(糖尿病、痛風)C消化器系(脂肪肝、胆嚢疾患、膵臓炎)D骨、関節系(変形性関節炎、捻挫、骨折)E婦人科系(卵巣機能不全)Fその他、疲れやすい、暑さに弱い、などがあります。(98,2,9)
31)肥満その2
中年以後の太りすぎは殆どが過食によるものです。まずは減量5kgを目標に実行しましょう。第1は飲み過ぎに注意。大抵はアルコール分だけカロリー過剰と考えて良いでしょう。思い切って週2回の休肝日をつくってみませんか。酒が抜けた翌日は1日がとてもエネルギッシュに活動的になります。気力が充実してきます。食事は妻の協力を得て低カロリー食(日本食は最高の低カロリー食)にしてもらいゆっくり時間をかけて食べましょう。食事の間にお茶をがぶがぶ飲んで下さい。お茶で満腹感を誘発します。それだけで充分ダイエットになります。私は今年の1月4日から減量計画を実行中です。今のところ4kg減で体調はすこぶる快調です。(98,3,9)
32)高脂血症その1
高脂血症は種々の原因によって血清中の総コレステロール(TC)値、トリグリセライド(TG)値が高くなる病気です。そのためにいろいろな病気を誘発しますがなかでも心臓の血管(冠動脈)やその他の血管の動脈硬化の原因として重要です。他に急性膵炎や静脈血栓症などを引き起こす原因にもなります。TC、TGを日米で比較すると以前は圧倒的にアメリカ人の方が高かったのですが最近は食生活の欧米化によって大差なくなってきました。高脂血症に@45歳以上の男性又は55歳以上の女性A冠動脈疾患(心臓病)の家族歴B喫煙C糖尿病D高血圧E肥満F運動不足などが加わると危険率が高くなり治療が必要になってきます。(98,4,9)
33)高脂血症その2
高脂血症の治療の@は食事療法です。戦後の脂肪摂取の増加が高脂血症増加の原因です。高脂肪食の制限、食物繊維摂取の増加、アルコール制限、そして体重減少に努めることAは運動療法です。日常活動性を高める程、HDL(善玉)コレステロールの増加、トリグリセライドの減少がみられるとの報告があります。スポーツマンには朗報、日常身体活動量の多い人ほど冠動脈疾患、高血圧、糖尿病、癌などの発生が少ないと言われています。Bは薬物療法です。最近ではいい薬のおかげでコントロールも良くできるようになりました。ただし根気よく続けて服用することが大切です。心臓病の元凶、高脂血症を克服して下さい。(98,5,9)
34)糖尿病その1
誰でも知っているあまりにも有名な病気です。近年の人工透析患者の急増と盲人の増加は糖尿病に起因すること大です持続的高血糖状態を示すために起こる三大合併症として@糖尿病性腎症(腎不全)A糖尿病性網膜症(視力喪失)B神経障害(末梢神経炎)があります。その他あらゆる病気の引き金になる恐ろしい全身病です。最小血管の血栓症による微少循環障害がその病因です。症状は多尿、多飲、多食、口渇、体重減少、易疲労性、知覚異常などですが、自覚症状に乏しくかなりの進展をみるまで見過ごされているケースもしばしばです。定期的な検診がとても大切です。(98,6,9)