clm(20-24)
20)臓器移植について
海外ではごく日常的に行われている臓器移植について皆さんはどのようにお考えでしょうか。日本では未だ社会通念や法律的な壁があって脳死患者の臓器移植はなかなか先へ進めないのが現状です。骨髄移植や角膜移植、腎移植に肝臓移植そして難しいとされている肺や小腸の移植さえ欧米では次々に成功例が報告されています。しかし対照的に日本では手術ができないためわざわざ外国へ行って移植手術を受ける人もでてきました。日本人は臓器を金で買っていると批判もでており、あげく腎臓売買ツアーなど危ない話も新聞や週刊誌をにぎわせています。日本でも早く安全に臓器移植が受けられるようになってほしいものです。(97,4,6)
21)大量コピー時代(クローン)
ついにというかとうとうと言うべきかイギリスでは羊の、そしてアメリカでは猿のクローンが生まれました。医学的にみれば全く同じ遺伝子を持つ実験動物を限りなく作り出せると言うことはすばらしいことです。ワクチンやその他の薬剤の製造、各種遺伝子学の研究者にとっては夢が現実になりました。食糧事情にも朗報です。少しの餌でどんどん成長する家畜のクローンは大量に上等の肉を人類に提供してくれるでしょう。また悪条件の土地でもよく育つ植物を大量に生産できるようになります。しかし喜んでばかりいられません。この技術が人間に悪用されたらどうなるでしょうか。小説の世界が現実になってきました。(97,5,8)
22)臓器移植と人間コピー
かなり前ですが、某国で臓器提供者確保のために幼児売買のシンジケートが暗躍しているという話を聞いたことがあります。また「コーマ」という本は必要な臓器を得るために血液型が合った人を見つけては薬で脳死に陥れて合法的に臓器を取り出して高額で売買するという小説でした。いかにもありそうな話でちょっと怖い気持です。ある国では日本製のオートバイに乗った10代20代の若者の交通事故は最高の臓器提供者であるといわれています。全く病気のない若々しい臓器は確かに移植される人には最高の贈り物です。その臓器が遺伝子の全く同じコピーをいつでも作れることになったとしたらどうでしょうか。(97,6,5)
23)AIDSについて
ヶ月前の新聞の報道によるととうとう新潟県にも19才の女性のエイズ感染者が出ました。遠い他人事ではなくなりどんどん身近になっています。ちょっと前まではエイズといえば血液製剤による薬害感染者が多かったのですが薬害による感染がなくなった今では感染の殆どは性交によって起こり、性感染症と言われています。1981年(昭和56年)に初めて報告されて以来、世界中に爆発的な広がりを見せています。エイズの怖いところは感染から発病まで10年もの潜伏期間があることです。発病すると抵抗力がなくなり何でもない菌で感染を起こして(日和見感染)100%死亡してしまいます。今にところこの病気に効く薬はありません。(97,7,5)
24)若者に忍び寄る魔手
先日母校の十日町高校で講演する機会を得、私の受験時代の話と若者に関係ある@喫煙AエイズB麻薬についてお話ししました。喫煙に関してはこの欄でも再三取り上げていますが、タール、ニコチン、一酸化炭素の怖さをスライドを使って説明し、タバコ撲滅を訴えました。エイズに関しては、世界の感染者数からみると奇跡的に少ない日本も経口避妊薬ピルの解禁によって爆発的に増えるのではないかと懸念されている昨今です。今のところ不治の病だけに十分すぎる注意が必要です。麻薬は深く静かに潜行しています。肉体だけでなく精神もぼろぼろになってしまいます。友達の甘い誘いが命取りです。(97,8,7)