126)続・眠りの健康術 |
眠りは脳波や行動の変化の他、眼球運動、筋肉の緊張(筋電図)呼吸、体温の変化などで規定されますがヒトの眠りには2種類あることがわかっています。浅い眠りのレム睡眠(Rapid
Eye Movement sleep)と深い眠りのノンレム睡眠(non REM sleep)です。レム、ノンレムとは文字通り眼球運動を示す言葉です。ヒトの睡眠はまず、ノンレム睡眠(うとうと、すうすう、ぐうぐう、ぐっすりとだんだん深くなる眠りで4段階ある)で始まりこの4段階がまた浅くなりほぼ90分で最初のレム睡眠(平均20分)になります。これを一晩に3〜5回繰り返してレム睡眠時間がだんだん長くなって(眠りが浅くなって)朝の目覚めになります。夢を見るのはレム睡眠時です。成人期には7〜8時間の睡眠時間で約20%がレム睡眠ですが老年期ではノンレムの深い眠りが著しく減少して浅い眠りが増えるため目覚めやすくなります。(060215) |
127)続続・眠りの健康術 |
忘雑化した「24時間社会」に住む現代人は約30%の人が不眠に悩まされています。眠りの満足度はかなりの個人差があるので一概には言えませんが、量より質が重要と思われます。充分な運動や日光を浴びる時間も快眠をもたらす重要な要因ですし、起きている時間が長いほどバタンキューと眠れます。日中うとうとと浅い睡眠をしてしまうと夜眠れないのは道理です。ヒトの体内時計は午後9時前後が劇的に眠りやすいというデータがあります。質の良い深い眠りが得られ、熟眠した満足感を得るにはまず起床時間を決め、1日の食事や労働、運動などの生活のリズムを規則的にすることが大切です。休日も同じ時刻に起きれば体内時計も調整しないで済みます。これでもなお眠れない人のためにはいろいろな睡眠薬があります。(060315) |
128)快適睡眠7ケ条 |
頃はよし、「春眠暁を覚えず」「春宵一刻値千金」遅い妻有地方にもようやく春が巡ってきました。快適睡眠は健康の基本ですがどこでもすぐ眠れるが時間が足りない寝不足(健康人)と寝不足なのに眠れない不眠症とは満足度に大きな違いがあります。厚生労働省の「健康日本21」(2003年)にある快適睡眠7ケ条には@快適睡眠いきいき生活(運動、朝食重要夜食は軽めに)A睡眠は人それぞれ、日中元気はつらつが快適睡眠のバロメーター(睡眠時間は人それぞれ、8時間にはこだわらない布団の中に長くいると熟眠感が減る)B快適睡眠は自らつくり出す(夜のカフェイン(お茶、コーヒー)は寝付きを悪くする、寝酒は睡眠の質を悪くする)C寝る前にリラックス、寝ようとする意気込みで頭がさえる(軽い読書、音楽、香やストレッチでリラックス。自然に眠くなってから寝床に入る、眠ろう眠ろうとすると逆効果)次号へ(060415) |
129)続・快適睡眠7ケ条 |
D目覚めたら光を取り入れて、体内時計をスイッチチオン(毎日同じ時刻に起床、早起きが早寝に通じる)E午後の眠気をやり過ごす(短い昼寝でレフレッシュ10〜20分で十分、寝過ぎは禁物、夕方以後の睡眠は快適睡眠に悪影響)F睡眠障害は医師に相談(睡眠障害は「心や体の病気」のサインのことがある、十分眠っても日中の眠気が強いときは要注意)以上が快適睡眠7ケ条です。睡眠障害(不眠症)で悩んでいる人の中には軽いうつ状態を有している人も多く睡眠薬や抗うつ剤が有効です。しかし以前の睡眠薬は麻酔薬が主であり飲み過ぎると呼吸が止まって死に至ることもあり睡眠薬自殺など暗いイメージがあって一般に怖い、癖になるなどマイナスイメージを持っている人がいまだに多くなかなかすんなり薬を飲んでくれません。(060515) |
130)眠りの健康術 |
現在の睡眠薬は麻酔薬は使いません。睡眠中枢を刺激したり、睡眠導入剤、抗うつ剤などを多様に使って何とかその人にあった薬を選ぶようになってきています。もっと気楽に使って欲しいと思うのですが不眠症に悩む人ほど神経質で1剤を半分にしたり何と4つに割ったりして服用し、利き目が中途半端なためにかえって眠れず全然効かないと不満をこぼす人もいますが1剤は成人にあった適量であり半分にしては意味がありません。まして1/4など殆ど効きません。処方通りに飲んでいただければ快適な睡眠をお約束出来ます。快適睡眠7ケ条で努力しても眠れない方はどうぞ遠慮なく相談して下さい。よりよい眠りは健康の基本です。もう一度自分の生活習慣を振り返って快適睡眠にチャレンジ。快眠を取り戻しましょう(060615) |