clm(111-115)
111)新潟県中越大地震

2004年10月23日(土)午後5時56分小千谷、十日町、長岡地方を震度7の大地震が襲いました。未曾有の大惨事となりライフラインが止まり多くの住民が着の身着のままでの避難所生活、車中生活を余儀なくされました。そこで問題となったのがエコノミークラス症候群です。手足を縮めて窮屈な姿勢を長く続けると血液の流れが悪くなり血栓ができてそれが肺動脈に詰まると呼吸困難で死亡してしまいます。時々歩き回ったり手足を充分伸ばしたりして下さい。また水分を控えると血液が濃くなってやはり血が固まりやすくなります。充分水分を取って血栓を予防して下さい。寒さに向かって風邪やインフルエンザ流行が懸念されます。早めに予防注射を打ちましょう。地震にめげず力を合わせてこの苦境を乗り切りましょう。(041115)

112)起立性調節障害
最近立ちくらみ、めまいで受診する学生が増えています。
中学、高校生を中心に朝起きられなかったり、立ちくらみを感じる起立性調節障害(OD)のためです。ODは自律神経失調症の一つであり、夜更かしや朝寝坊、そして運動不足が大きな原因です。下腿部の筋肉は第2の心臓といわれています。この筋肉をきたえておかないと下腿の血液が心臓に流れ込まずうっ滞してしまうため血圧が下がってしまうのです。息切れ、頭痛、顔色不良などの他、うつ病の原因や登校拒否にもなりかねません。重症の場合は血圧を上げる薬を使いますが何より運動で筋肉を鍛えて第2の心臓を強くすることです。また規則正しい生活のリズムを作って早寝早起きの習慣をつけるようにしましょう。思い当たる方は是非一度ご相談下さい(041215)
113)酒を飲むなら日本酒を
年末年始とお酒のおいしい季節になりました。数年前に赤ワインが体の老化や癌の元になる活性酸素を攻撃するポリフェノールを含むことで一躍脚光を浴びた時期がありましたが、日本酒にもそれに負けないほど体によいことがわかっています。米と米麹を発酵させて出来る日本酒には700種類もの栄養成分が含まれているとのことです。中でもアミノ酸はワインの20倍もあり他にもビタミンやミネラルなどが豊富に含まれています。また生活習慣病の予防にもなるとのことで驚き倍増です。脳には楽しさ心地よさを演出する物質(ドーパミン)がありますが日本酒はこの物質の分泌を亢進します。さすが「百薬の長」ですがもちろん適量でお願いします。飲み過ぎると病気の宝庫になります。(050115)
114)ノロウィルス食中毒
食中毒というと夏場に多く冬は少ないと思われがちですがノロウィルス食中毒は1-2月がピークになります。殆どは経口感染で汚染された貝類などや保菌者(調理人や介護人)からの感染が主です。最近では老人施設内での感染、死亡例などが新聞紙上を賑わしていますが以前から冬場に多いお腹の風邪とか急性胃腸炎と言われていました。殆どが生カキなどの2枚貝
を食して感染し消化管の粘膜がこわされて水分吸収が出来なくなり、下痢、嘔吐、軽い発熱などが起こります。死亡率は0.001%以下と低く最近の老人施設での死亡者数は異常とも言えます。脱水症状などは点滴で改善できるので施設に医者がいないことも原因の一つかも知れません。(050215)
115)奇病の正体は脚気
義弟が172cm、90kgの超肥満体のため脂肪肝や高脂血症、高血圧症などの生活習慣病を指摘され、心機一転、減量に取り組みました。その結果なんと20kgもやせてしまいふらふらして足元もおぼつかず日常生活にも支障が来てついには両足が上がらなくなってしまい引きずるようになってしまいました。早速大学病院へ入院してあらゆる検査を受けましたが原因不明。奇病として絶望的な宣告を受ける直前、もしやと血中ビタミンを測定したら何とビタミンB1不足で答えは「脚気」でした。戦中戦後なら良く聞いた名前ですがこの飽食の時代によもや脚気とは。翌日には元気に退院しました。過ぎ足るは及ばざるがごとしの1例でした。(050315)