clm(106-110)
106)十日町ってどこ?

職業柄製薬会社のセールスマン(MR)とつきあうことが多いのですが、彼らは日本全国から集まってきます。最近大阪からかの地へ赴任してきた某メーカーのMRさん曰く、本人も奥さんも新潟とはどこにあるのかさっぱりわからず、子供の社会科の地図を引っ張り出して眺める始末。二人とも新潟県の地名をひとつも知らなかったのですが奥さんがわずかに子供の4年生の社会科の教科書に載っていた人口密度からいうと世界一の豪雪地帯「十日町市」の地名だけは知っていたとのこと。しかも「お父さん、新潟に行っても決して十日町市だけには行かないで下さい。」と念を押されたそうです。その彼が何と新潟へ転勤してきたら「君、十日町市担当」と言われ何とも答えようがなかったとか。早速博物館へ行って十日町事情を研究したとのこと。やっぱり「十日町市」は全国区。しかも織物ではなくて豪雪地帯で有名ブランド。それにしても十日町って外国(040615)?

107)過敏性腸症候群
ストレスや疲労、不規則な生活などが原因で、お腹の調子が悪くなり下痢や便秘を繰り返したり腹痛、腹部膨満感を訴える人が増えています。成人の10-20%ともいわれ特に若い女性に多いのが特徴です。重症になると山の手線の一駅毎に降りてトイレに駆け込まなければならないほどのひどい下痢をもよおす人もいます。診断は腸に腫瘍やその他の病気がないことを確認してからになります。以前は詰まったら下剤、下痢をしたら止痢剤と大変でしたが最近は1つの薬で便秘時にも下痢の時にも効果があるという優れものの薬が発売されました。即効的ではありませんが結構ゆっくり効いてきます。患者さんの中には中学生の人もいて自分でも何がなんだかわからないで不調に悩んでイライラしているのです。身に覚えのある方は一度是非受診して下さい。(2004,7,15)
108)グンジャンの夏・食中毒の夏
YE生を受け入れてから5回目。今年はインドのムンバイ(旧ボンベイ)から18才の女学生がやってきました。何しろ赤道直下にあって平均気温35℃、そしてヒンズー教のため完全な菜食主義。肉、魚は一切だめ。殆ど野菜のごった煮をカレースパイスで味付けしてナンかライスで食べていました。我が家も2週間それにつき合わされおかげで3kgも減量できて大満足です。牛乳でさえ火を通さなければ飲みません。これらの食事の習慣の根本には食中毒が怖いのではないでしょうか。おかげで本人は体調すこぶる快調で元気よく次のホームスティ先へ旅立ちました。今年の新潟は7.13水害によって汚染された淡水と海水が混じって腸炎ビブリオが大発生しています。柏崎では有名な旅館で大勢の食中毒患者が出て新聞紙状をにぎわせています。今年の日本海の魚はかなり危険がいっぱいです。それにしても異常に暑い夏ですがグンジャンはいと涼しげな風情でした。(040817)
109)夏ばてご用心
昨年の冷夏とうってかわって今年の猛暑はことのほか厳ししく思わず苫小牧高校が優勝してしまうほどの暑さでした。暑さで汗をかくとミネラルが不足して疲労感や脱力感をきたします。暑くて寝不足が続くと食欲低下を招きうどんや冷や麦、そばなどのあっさり系で炭水化物ばかり食べているとビタミンB1が消費されてB1不足になります。更にアルコール類は炭水化物以上にB1を消費しますのでますますB1不足となりだるさの原因となります。また暑いからと冷房をつけっぱなしにしておくと自律神経機能に異常を生じ夏バテの原因になります。まずはたっぷり と睡眠を取りB1を含む食事(豚肉やウナギ、玄米、オレンジ、枝豆 など)でB1を補給して下さい。それでも夏バテが治らない人はやはり点滴で補給するのが一番です(040915)。
110)酒は静かに飲むべかりけり)
秋本番、お酒のおいしい季節になりました。昔から百薬の長といわれるように適度の飲酒は体に良いことがわかってきました。日本人の慣習として仕事が終わった後に同僚と赤提灯で一杯飲みながら上司の悪口を言って憂さを晴らしストレスを発散させるのは精神的抑圧の解放に大変役立っています。お酒の飲めない人もそれなりに輪にとけ込んでいて感心させられます。またアルコール分解酵素にはアルツハイマー病の発症を押さえる働きがあることがわかってきました。そのため酒の弱い人は酒の強い人に比べて1.6倍もアルツハイマーになりやすいとのことです。しかし酒に予防効果があるわけではありません。強いからと言って飲み過ぎると肝障害や痴呆になります。ほどほどに秋の夜長を気のおけない人と静かに飲みたいものです(041015)。