2001年12月号
初雪が降りました。まだまだ序の口なのだとは思いますが、大きな雪のかたまりがドンドコ降り積もる様子に圧倒されました。そんな私の横を、早番の保育士が手押し車にゴミを載せてゴミ捨て場まで運んでいく姿を見て、「雪国の女性はたくましいなぁ」と感心したものです。
子どもたちは、クリスマスの準備に大忙しです。今もページェント(聖誕劇)の練習ため大きな声で歌う子どもたちの歌声が聞こえています。
昔、ユダヤの人々はローマの圧政に苦しみながら、かつて神が約束してくださった救い主の誕生を待ちわびていました。その救い主が、2000年前、ようやく世に遣わされたのです。
しかし、人々はこの方を素直に受け入れませんでした。なぜなら、人々が期待していたのは、いかにも神的な神々しさを放つ方であり、また政治的にユダヤ民族を解放してくれるような力を持った方だったからです。ところがイエスは、人々から見ればナザレという小さな村の大工の息子であり、さらに政治的に力を振るうどころか、役に立たないとされていた女性や子ども、また罪人とされていた病人や障害者をこそ顧みたのです。つまり、一人一人がかけがえのない存在であることを示し、神の被造物としての人間が、皆生き生きと生きることが認められているのだということに気づかせてくださったのです。
多くの人々の期待は裏切られました。なのに、願いは叶えられたのです。欲するものは与えられなかったのに、本当に必要なものが備えられたのです。そのことに気づかされ、そして受け入れた人々は、確かに光を見た・・・それがイエス・キリストの誕生であり、これを喜び祝い、感謝するのがクリスマスなのです。
子どもたちの歌声を聞きながら、この子どもたちが皆祝福されて歩み続けるよう祈るアドヴェント(待降節=クリスマスを待つ期間)です。