雑学3:乳がんについて

今、乳癌が大変問題になってきています。胃癌、子宮癌の死亡率がが減少傾向にある中で、肺癌、
大腸癌、子宮癌は年々確実に増加しています。乳癌の増加原因の一つは食生活の欧米化です。
脂肪摂取量が増えて肉食を好む女性が多くなり、体格も大型化(乳房も含めて)したことです。
他には女性ホルモンの影響があります。初経年令が早く閉経年令が遅いほど、高率に癌が発生します。
日本女性の平均初経年令が早くなるほど乳癌発生率は確実に増加しています。そして初婚年令が遅く、
初産年齢が高く、出産児数が少ないほど、授乳期間が短いほど、また未婚の女性に乳癌発生率は高く
なっています。これらはすべて女性ホルモン(エストロゲン)の被爆が多いほど(つまり被爆期間が長いほど)
乳癌になりやすいと言うことになります。遺伝的には、湿性耳垢の人、また家系内で母親、姉妹に乳癌発生
を有する人は有意に高い発生率を示しています。多くの癌のうちで、乳癌は唯一自分で発見できる癌と
いえます。また乳癌と肺癌の集団検診は何年も前から意味がないといわれてきました。(集団検診で発見
された乳癌と、施設(病院や診療所)で見つかった乳癌の生存率に有意差がないため)
そのため日頃から自己検診の習慣を身につけて、早期発見、早期治療への手がかりとしていただきたいと
思います。

(自己検診法について)
まず、起きた状態と仰向けに寝た状態で観察して下さい。視診と触診があります。触診は手のひらでやさしくなでたり、つまんだりします。
よきパートナーに触ってもらうのも一案です。異常所見は次の通りです。
@コンペイ糖のような小さくて硬いしこり
A鏡にうつしてみてえくぼのようなひきつれや変形、
B皮膚の発赤、ただれ、湿疹
C乳首を軽くつまんでしぼると血性の液が出る
D腋窩にゴロゴロ(リンパ節)が触れる。
せめて一ヶ月に一回は自己検診をする習慣を身につけて下さい。そして少しでも異常を認めたら、
すぐ「外科」を受診して下さい。決して「婦人科」ではありません。どの癌でも早期発見、早期治療こそが最高の治療法です。

zatu3