十日町の位置
苧麻(ちょま)
越後ちぢみ 明石ちぢみ
マジョリカ御召 黒羽織

「きものの町」十日町は、新潟県の南部、魚沼地方の中心に位置する人口4万3千人の町です。

織物一筋に生きてきた十日町は、今では高級絹織物産地として、京都に次ぐ規模になっています。十日町の織物の歴史は古く、1200年前の飛鳥、天平の昔から野生の苧麻(ちょま)を素材とした麻布の生産が盛んに行われてきました。

江戸時代に入ると、「越後ちぢみ」の主産地として知られるようになりました。越後ちぢみは、薩摩上布につぐ高級夏織物として珍重され帷子や裃などに使われました。

幕末以降、十日町は絹織物に転換しました。明治20年ごろに、「蝉の羽」と言われるほど薄くて軽い「明石ちぢみ」が開発されました。「明石ちぢみ」の全国的な普及で、十日町は絹織物産地としての地歩を確立しました。

戦後はお召、十日町小絣、縫取ちりめんが主流になりましたが、昭和34年にマジョリカお召というヒット商品が爆発的な売れ行きを示し産地は大きく発展します。つづいて、新しい略礼装の黒絵羽織を開発すると大変な人気を呼び『PTAルック』の愛称で一世を風靡しました。昭和40年代に入ると、友禅技術が導入されはじめました。

現在、十日町のきものは、振袖、留袖、訪問着、付下といった後染め商品が約8割、紬絣が2割で、年間約130,000点生産されています。
きものの歴史年表はこちら!